社労士試験:事業場外のみなし労働時間制と2つの裁量労働制

社会保険労務士(社労士)試験

みなし労働時間制について

こんにちは、管理人のtomoです!
今回は労働基準法のみなし労働時間制について、事業場外のみなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量動労制の横断的なポイントなど、試験勉強の際に自分が気をつけていたことをお伝えしようと思います。


最重要語句

各々の制度には重要語句があります。
もちろん択一式の肢の文章で内容を変えてくることもあるでしょうし、過去問では選択式でも抜かれています。
最も重要なのは「どういった状況・対象で用いられる制度なのか」ということを表す重要語句です。

事業場外のみなし労働時間制
労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いとき

専門業務型裁量労働制
遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある
業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が具体的な指示をすることが困難なもの

企画業務型裁量労働制
企画、立案、調査及び分析の業務
遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある
業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が具体的な指示をしないこととする業務

過去問では判例の判決文から「労働時間を算定し難いとき」が選択式で抜かれたことがあります(H27労基・安衛選択式A:阪急トラベルサポート事件:最二小判平26.1.24)。
いわゆる定義における重要な文言ですが、各制度内容の核心でもあるのでしっかりと覚えておきます。

ここからは各制度ごとの概要についてまとめていきます。
試験において重要なものと思われる内容のみピックアップします。


事業場外のみなし労働時間制

原則

  • 労働時間を算定し難いときは、原則として所定労働時間労働したものとみなす

その他

  • 所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、通常必要とされる時間労働したものとみなす
  • 労使協定が締結されているときはその定める時間を通常必要とされる時間とすることができる
  • 労使協定は上記時間が法定労働時間を超える場合のみ行政官庁に届出

算定方法

  • 所定労働時間超えない場合のみなし労働時間
    業務の全部→所定労働時間
    業務の一部(内勤混在)→場内労働時間を含めて所定労働時間
  • 所定労働時間を超えて労働することが必要な場合のみなし動労時間
    業務の全部→通常必要とされる時間
    業務の一部(内勤混在)→事業場内労働時間を右に加える

事業場外みなし労働時間制でのポイントは「所定労働時間」「通常必要とされる時間」、所定労働時間を超えるか超えないかでのみなし労働時間の算定方法です。


専門業務型裁量労働制

対象業務

  • 上述の通り、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして、厚生労働省令で定める業務(19業務)のうち、労使協定で定める業務
    ※業務は労使協定で特定することが必要です

条件

  • 労使協定
    対象業務1日あたり時間数、実施する旨、健康福祉確保措置苦情処理措置
    労使協定の有効期間
    記録保管協定有効期間+満了後5年:当分3年、労働時間と上記措置内容)
  • 労働者の同意不要
  • 定期報告義務なし

届出

  • 労使協定行政官庁(所轄労働基準監督署長)へ届出

専門業務型裁量労働制のキーワードは「労使協定(要届出)」「労働者の同意不要」等です。


企画業務型裁量労働制

対象業務

  • 企画、立案、調査及び分析の業務
    上述の通り、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務

条件

  • 労使委員会委員の4/5以上の多数による議決
    対象業務、対象労働者の範囲、1日あたり時間数、健康福祉確保措置、苦情処理措置
    委員の半数は過半数労組が任期を定めて指名
    議事録保管(決議有効期間+満了後5年:当分3年)、労働者への周知
  • 労働者の同意が必要!
  • 定期報告(労働時間状況、健康福祉確保措置実施状況、当分6カ月以内に1回

届出

  • 委員会の決議行政官庁(所轄労働基準監督署長)へ届出

企画業務型裁量労働制のキーワードは「労使委員会(委員の4/5以上の多数)」「労働者の同意が必要」「定期報告(6カ月以内に1回)」などです。


その他覚えておくこと

以下のいずれにも該当する在宅勤務ではみなし労働時間制が適用されます。

  • 起居寝食等私生活を営む自宅で行われる
  • 情報通信機器が使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
  • 随時使用者の具体的指示に基づいて行われていないこと

※下2つは否定形であることに注意します

みなし労働時間制が適用される場合でも、
休憩、休日、深夜業に関する規定の適用
排除されません


覚えると意外と簡単

事業場外みなしは単独で、専門業務型と企画業務型は対比させて覚えると覚えやすくなります。
何をもって規定するのか、規定の内容、同意、こういったところを押さえておきます。
ちなみに労働者の同意が必要なのは、高プロとこの企画業務型となっており、専門業務型不要
管理人は「こーきな同意」で覚えていました(笑)

それではまた!

tomo拝

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